-プロが語る「SAKERISE」
日本酒の楽しみ方は、決して一つではない。
SAKERISEでは、造り手の想いを届けると同時に、各分野のプロフェッショナルにテイスティングコメントをいただくことで、幅広く奥深い日本酒の魅力をみなさまにお届けします。
-テイスターのご紹介
湯島天神下 すし初
アカデミー・デュ・ヴァンSake Diploma講師
第1回J.S.A. SAKE DIPLOMAコンクール優勝
山内祐治 様
今回、テイスティングコメントを頂いたのは、江戸前のお仕事とお酒との融合を実践する、湯島天神下 すし初の四代目、山内祐治氏。
山内氏は、J.S.A.sakediploma コンクールの初代優勝者であり、アカデミー・デュ・ヴァンにてSake Diploma講師を務められています。
和食と日本酒のプロフェッショナルの目に、「暁光」はどう写ったのでしょうか。
- テイスティングレポート
外観と香り
グラスに注ぐと透き通ったクリスタルのような、キラキラと輝きのある液体が瓶から流れ出てきます。低い温度帯ですと、シャープで引き締まった香りの印象。香りの重心が高く、樹々の青さの奥から見え隠れする木なりの果実の印象を感じさせます。ここから温度が持ち上がるごとに、樹々のベールが解けていきます。後数時間で適熟を迎えるメロンの様な、九分咲の美が香りに存在しています。
味わい
アタックは楚々としていながら甘みも優しく感じます。そのまま口中に滑り込んでくる甘さと、優しい旨み、そして柔らかく切り替わる酸味が流麗に繋がって徐々に顔色を変えていきます。特筆すべきは後半の品の良さ。味わいのバランス、そして技術と技量と経験を結集してこの余韻の品の良さを作り出しています。フワッと消えた後に残心の如く残る余韻は、薄くたなびいて長い余韻を辺りに感じさせます。
栓を開けてより2日目以降は味わいに柔らかな印象が出てくるので、抜栓してすぐは繊細なお料理と共に。そしてそれ以降はお酒を主役にして、もしくは味わいに少し旨味をましたお料理と併せていただければその魅力を余すことなく楽しんでいただくことができます。
どんなシーンで飲みたいか
日本酒と、何より日本酒を飲む皆様の時間が主役となるようなくつろげる時間に。
厳選された食材や丁寧な仕事を旨とする和食屋さん、鮨店さんなどでの食事のお供として。
楽しみ方
おすすめの酒器は、小ぶりのワイングラス。
また、飲み口が薄く作られているもの、例えばうすはりのグラスなども相性が良いでしょう。
温度に関しては、お料理と共にであれば12度から14度。
冷蔵庫で冷やしている場合は、1度徳利や片口などに入れるとちょうど良くなると思います。
お酒の良さを最大限に引き出すのであれば、14度から18度。
室温に戻るまでも、柔らかさのバランスをお楽しみいただけるでしょう。
ペアリング
思い浮かぶのは、丁寧に仕事された和食の先付や椀など。
具体的には、お魚であれば、2日ほど寝かせたヒラメを軽めの煎り酒か、岩塩で。もしくはてっさも。
また、白子の吸物に合わせて、口取に柚子、可能なら青柚子が望ましい。
塩で食べる新蕎麦や、春野菜の天ぷらに塩を添えてなどもおすすめです。
2日目以降は、また違ったペアリングが楽しんでいただけるでしょう。
お魚であれば30分程度軽めに昆布じめをしたヒラメなど。
お椀と合わせるのであれば昆布だしベースとし、口取には黄柚子や橙などを添えたものと合わせると良いと思われます。
和食と日本酒のプロフェッショナルによる「暁光」テイスティングコメント、いかがでしたでしょうか。
「暁光」に関しましては、ミシュラン2つ星のフレンチレストランでシェフソムリエを務める、ワインソムリエ太田賢一氏にもテイスティングコメントをいただいております。
今回とはまた違った「暁光」の一面を感じていただけるテイスティングコメントをいただいておりますので、是非ご覧ください。